Gibson Firebird V 2013 〜伝統美と攻撃性の融合〜

Gibson

60年代の名機を現代に蘇らせた、唯一無二の個性を音色を徹底レビュー

Gibson Firebird V 2013 〜伝統美と攻撃性の融合〜

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Introduction

Gibson Firebirdは1963年に初登場し、カーデザイナーのレイモンド・ディートリッヒによるユニークなリバースボディ形状で話題を呼びました。Firebird Vはシリーズの中でも高い人気を誇り、スルーネック構造が生み出す豊かなサスティンとクリアな音色が特徴です。2013年製のFirebird Vは、その伝統的な設計を継承しつつも、現代の音楽シーンに対応する性能を備えています。

このモデルではミニハムバッカー・ピックアップを搭載し、切れ味のある高音域と骨太な低音域を両立独自のヘッド形状とGrover製のバンジョースタイル・チューナーにより、唯一無二のルックスを持っています。ロックやブルースはもちろん、多彩なジャンルで活躍するギターです。では、早速Gibson Firebird Vを詳しく見ていきましょう!

Basic Spec

Body Wood: Mahogany

Neck Wood: 9-ply construction (mahogany & walnut)

Neck Profile: Slim taper profile (D-shape)

Fingerboard: Rosewood with binding

Radius: 12 inches (305 mm)

Scale Length: 24.75 inch (628 mm)

Nut Material: Nylon or synthetic material (width approx. 43.2 mm)

Inlays: Acrylic trapezoid inlays

Frets: Medium jumbo (22 frets)

Construction: Neck-through-body

Tuning Machines: Steinberger gearless tuners (40:1 gear ratio)

Bridge: Tune-O-Matic (zamak), stopbar tailpiece

Pickups: Gibson mini humbuckers (neck: 495R, bridge: 495T)

Controls: 2 volume, 2 tone, 3-way toggle switch

Design

2013年製のGibson Firebird Vは、伝統的なFirebirdデザインを受け継ぐモデルです。リバースボディにスルーネック構造を採用し、サスティンの豊かさと安定した鳴りを実現しています。

ボディー材のマホガニーは、暖かみのある中低音域と豊かなサスティンを生む木材です。ギブソンの多くのモデルで愛用されている木材ですが、Firebird Vではスルーネック構造とも相まって、音の密度が高く、鳴りが長く続きます。

加えて、マホガニーの音色は「甘い」と評されることが多く、クリーントーンでは豊かさと丸み、歪ませた時には芯のある太いサウンドを持っています。Firebirdの個性的なデザインと相まって、ロックやブルースなど、幅広いジャンルにしっかりフィットする存在感を持っています。

ウェザーチェックが入り、さらに渋さが増しています。

マホガニー材の響きは温かみのある、包み込むような音の印象を持つので、長く弾くほどに味わい深くなるのも魅力です!

Firebird Vの9ピース・ネック(マホガニー/ウォルナットのラミネート)とスリムテーパープロファイルの特徴について説明します。

まず、9ピース・ネックは、マホガニーとウォルナットを交互に積層した構造です。これにより、強度が格段に向上し、ネックの反りやねじれを抑える効果があります。さらに、積層による硬さが音のレスポンスを高め、引き締まった低音とクリアな高音を両立するのが特徴です。見た目も美しい縞模様が個性的です。

そして、スリムテーパープロファイルは、手にフィットしやすく、現代的な演奏スタイルに適応するシェイプです。厚すぎず薄すぎない絶妙な握り心地で、早いパッセージやコードワークも楽にこなせます。

この組み合わせにより、Firebird Vはパワフルで安定感のある音を生みつつ、快適なプレイアビリティを持つギターとなっています。

このスリムテーパーDシェイプのおかげで、Firebird Vはビンテージの風合いを持ちつつ、モダンな快適さも両立しているギターなんです!

多くの2013年製Firebird Vはローズウッド指板を採用しています。ローズウッドは暖かみのある音色を生み出す木材で、ミッドレンジに厚みを加えつつ、明るすぎない自然なトーンを提供します。さらに、手触りが滑らかで指運びがスムーズです。ローズウッド指板は、高音域にかすかな丸みを与え、アタック感を柔らかくします。その結果、Firebird Vの力強いサウンドに心地よい暖かさが加わります。特に、ミニハムバッカーの鋭い音をうまく整え、バランスの良いトーンを作り出します。ローズウッド指板は美しい木目が特徴で、ビンテージ感のあるルックスを引き立てます。また、オイル分を多く含んでいるため、長く使うことで指板の光沢が増し、育てる楽しみもあります。

2013年製Firebird Vに搭載されているSteinbergerのギアレス・チューナーは、ギアを使わない独自構造が特徴です。通常のギア式チューナーとは異なり、摩擦によるテンションコントロールで弦をしっかり固定し、滑らかな微調整を可能にします。40:1という超高精度のギア比は、ほんの小さな動きでも正確に音程を合わせることができため、ライブやレコーディングでのピッチの安定性が約束されています。また、見た目は従来のバンジョースタイルのチューナーよりコンパクトで、その結果、ヘッドのバランスの向上に寄与しています。

Firebird Vの個性的なデザインに調和しつつ、未来的な印象を与えるルックスも魅力です。こうした高性能チューナーのおかげで、Firebird Vは演奏性とスタイルの両立を叶えています!

Firebird Vのブリッジには、Gibson伝統のTune-O-Matic(zamak製)とストップバーテイルピースの組み合わせが採用されています。Tune-O-Maticは弦ごとにオクターブ調整や弦高調整が可能で、プレイヤーの細かなニュアンスに応えられる設計です。材質に使われているzamak(亜鉛合金)は、適度な重量でサスティンを向上させ、硬質で芯のあるアタックを引き出す特性を持っています。

一方、ストップバーテイルピースは弦の振動をしっかりとボディに伝える役割を担い、結果として豊かで太いサウンドを実現します。チューニングの安定性にも優れており、安心して演奏に集中できるのも魅力です。

このブリッジとテイルピースの組み合わせが、Firebird Vのパワフルで豊かな鳴りを支えています。

Sound Performance

2013年製Firebird Vに搭載されているのは、Gibsonのミニハムバッカー(ネック:495R、ブリッジ:495T)です。これらは、通常のフルサイズハムバッカーより小型ながらも、しっかりとした出力とノイズレス性能を持っています。もともとはEpiphoneのピックアップとして生まれ、Firebirdのために再設計された背景があります。

495Rはウォームで丸みのあるトーンが特徴で、ジャジーなクリーンやブルージーなクランチサウンドに適しています。495Tは中域の押し出しと高音域の明瞭さがあり、ソロやリードフレーズでの抜けが抜群。どちらも歯切れの良さと芯の太さを併せ持ち、シングルコイルに近い明るさとハムバッカーのパワーを両立しています。

Firebird Vのスルーネック構造と組み合わさることで、アタック感が際立ち、分離感のあるサウンドを生み出します。幅広いジャンルに対応しながらも、Firebirdらしい独特なキャラクターを持ったピックアップです。

Firebird Vのミニハムバッカー(495R/495T)の音の印象としては、ハムバッカー特有の厚みを持ちながらも、通常のフルサイズハムよりも明るくキレが良いイメージです。クリーンではブライトで歯切れの良いトーンがあり、コードを弾くと1音1音の分離感もすごく良いです。単音弾きでは、しっかり芯があって太く、でもモコモコしないのでリードでもバッチリと映えます。

歪ませると、中域のパンチがグッと前に出てくる感じで、シングルコイル的なカラっとしたニュアンスも感じられます。ブリッジ側の495Tはアタックが際立ち、タイトなリフや速弾きに最適。逆にネック側の495Rは甘く太い音が出るので、ブルースのリードやジャジーなフレーズにピッタリだと感じます。

Strong & Weak Point

  • 長所
    • 独特で個性的なデザイン
      • Firebirdの逆さトリミング・ボディとヘッドの形状は非常に目立ち、ステージ映え抜群。個性的なルックスで所有感が高い。
    • スルーネック構造
      • ネックとボディが一体化した構造により、優れたサステインと安定した音の立ち上がりを実現。
    • Gibsonミニハムバッカー搭載
      • 495R/495Tのミニハムバッカーは、ハムバッカーのパワーとシングルコイルに近い明瞭さを両立。幅広いジャンルで使いやすい。
    • Steinbergerギアレスチューナー搭載
      • 高精度でチューニングが安定し、演奏中の音程ズレを軽減。
    • サウンドのバランスの良さ
      • 太さと明瞭さを兼ね備え、コードもリードもバランスよくこなせる。
  • 短所
    • 重量がやや重い
      • マホガニー材のボディとスルーネック設計で、長時間の演奏で疲れやすい場合がある。
    • 個性的すぎて好みが分かれるデザイン
      • 特徴的すぎるため、好みがはっきり分かれることもあり、万人受けしない。
    • zamak製ブリッジの耐久性への不安
      • 亜鉛合金製ブリッジは軽量でサスティンに寄与しますが、強度面で鋳鉄や鋼製より劣る可能性がある。
    • パーツ交換の互換性が限定的
      • 専用設計パーツも多く、メンテナンスやカスタムの自由度が低い場合がある。

全体的にFirebird Vは個性的なルックスと高い演奏性能を持ちつつ、やや重さやパーツの特殊性がネックになることがあります。用途や好みによって評価が分かれるギターですね!

General Review

Gibson Firebird Vは、その独特なデザインとスルーネック構造によって、他にはない個性的な存在感と優れた演奏性能を兼ね備えたギターです。逆さまのボディシェイプとヘッドストックは視覚的なインパクトが強く、ステージ映えすることは間違いありません。サウンド面では、搭載された495R/495Tミニハムバッカーがハムバッカーのパワーとシングルコイルの明瞭さを両立し、クリーンから歪みまで幅広いジャンルに対応。スルーネック構造による豊かなサステインと優れたレスポンスも魅力です。

また、Steinbergerのギアレスチューナーは高精度でチューニングの安定性を大幅に向上させており、演奏中の音程ズレを最小限に抑えます。一方で、マホガニー材のボディとスルーネック設計のためやや重量があり、長時間の演奏では疲労を感じる場合があります。加えて、zamak製のブリッジは音質に寄与しつつも耐久性にやや不安が残る点や、専用パーツの多さからメンテナンスやカスタムの自由度が限定されることも留意が必要です。

総じてFirebird Vは、個性を重視しつつ高い演奏性を求めるギタリストに適したモデルであり、その独特なルックスとサウンドは多くの音楽ジャンルで活躍します。デザインや重量面の好みをクリアできれば、非常に満足度の高い1本となるでしょう。

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