Fender American Professional Telecaster
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Introduction
Fender American Professional Telecasterは、通称”アメプロ”と呼ばれるモデルで、ヴィンテージライクな見た目・サウンドでありながらも現代的な仕様が組み込まれています。後継機のFender American Professional Ⅱ Telecasterとの違いも交えながらレビューしていきたいと思います。
Basic Spec
Body Material : Ash
Neck Material : Maple
Neck Shape : Modern “Deep C”
Fingerboard Material : Maple
Fingerboard Radius : 9.5″ (241 mm)
Number of Frets : 22
Fret Size : Narrow Tall
Nut Material : Bone
Nut Width : 1.685″ (42.8 mm)
Weight : 3.566kg
Case : Elite Molded Case
Design
ボディは、アッシュ材が使われており、メリハリのあるサウンドが出やすいとされ、特にアルダー材と並んでフェンダーギターにおいて代表的な素材です。アルダーに比べるとやや明るめのトーンで、アタックが強めなことから、ロックやファンク、カントリーなどに適しています。
メイプル材のネックと指板は、明るくはっきりとしたサウンドが特徴で、アルダーボディやアッシュボディと組み合わせることで、エレキギター全体の音を引き締める効果があります。
フラットはナロートールフラットが採用されており、幅が狭く、高さがあるタイプのものをいいます。通常のフレットよりも横幅が狭いため、押弦時に弦がフレットの上を滑るような感覚が得られることできます。そして、高さがあることで、弦を押さえる際に指板に触れずに弦だけを押さえることができ、ビブラートやベンドがしやすくなります。
ネックシェイプは、American Professionalシリーズ独自 のModern “Deep C”は、丸みを帯びた形状で、手に馴染みやすく、ロングセッションでも快適に演奏できるシェイプです。従来のフェンダーのCシェイプに深さを持たせているのが「Deep C」の特徴で、手のひらにフィットする感覚が強くなります。イメージはちょうどCシェイプとDシェイプの中間のにぎり心地です。
スケールは、25.5インチ(648mm)。フェンダー特有のスケール長で、少しテンションが強めですが、シャープで明確な音が出やすい特徴があります。22フレット仕様で、ソロやリードプレイにも対応しています。
ナット幅は、1.685inch(42.8mm)で、一般的なナット幅です。シェイクハンドスタイルに適しており、スムーズな演奏感を提供します。
Sound Performance
ピックアップ構成は一般的なテレキャスターと同様、フロントとリアにシングルコイルが2つ搭載されています。「V-Mod Single-Coil Telecaster ピックアップ」と名付けられ、これまで以上に繊細で独特なテレキャスターらしいトゥワングサウンド(弦を弾いた音)を実現しています。これはTim Shawによる設計で、従来のTelecasterの明瞭なトーンを保ちつつ、よりバランスの良い出力と、温かみのあるミッドレンジが特徴です。
ブリッジ部は、優れたイントネーションを実現したピッチ補正ブラス製バレルサドル搭載の新設計のTelecasterブリッジが搭載。3ブラスサドルが使用され、トーンにウォームさと豊かさを加えるのと、弦の張り方をトップローダー/ストリングスルーから選択することが出来るため、テンションの微調整が可能となっています。
コントロールは1ボリューム、1トーン仕様。コントロール部にトレブルブリード回路を搭載しているため、EQバランスを維持したまま、ボリュームを下げてもクリーンなトーンを得ることができます。本来ならば、ボリュームを絞っていくと高音域が削れた甘いトーンになる半面、音抜けが悪くなってしまいます。トレブル・ブリード回路はこの傾向を改善し、ボリュームを絞ったときの音色に高音域を残させることで、抜けの良いサウンドを作っています。
3ウェイピックアップセレクターはブリッジ、ネック、そして両方のピックアップのブレンドが可能で、一般的なテレキャスターと同じタイプとなっています。
ペグには堅牢なロトマチックペグが採用。チューニングの安定性が高く、レコーディングやライブでも頼れる仕様となっております。
Difference Between American pro and pro Ⅱ
そもそもこちらの機種は、1986年から2017年の約30年にも渡って生産されたAmerican Standard(通称アメスタ)の後継機種が2018年よりAmerican Professional(通称アメプロ)としてフルモデルチェンジし、誕生しました。そして、その2年後、2020年10月14日より国内発売されるAmerican Professional Ⅱへとマイナーチェンジするという歴史があります。
American ProfessionalとAmerican Professional Ⅱの違いについて下表にまとめておりますので、ご確認ください。
American Professional | American Professional Ⅱ | |
ボディー材 | アッシュ or アルダー | ローステッドパイン or アルダー |
ネックシェイプ | Modern “Deep C” | “Deep C” |
ピックアップ | V-Mod | V-Mod Ⅱ |
ヒールレス加工 | なし | あり |
tone2 pushu-push スイッチ | なし | フロントピック |
ネックフィニッシュ | ウレタン、サテン仕上げ | ウレタン、”スーパーナチュラル”サテン仕上げ |
Strong & Weak Point
長所
・優れた品質と作り: Fenderのアメリカ製モデルらしく、木材やハードウェアの品質が高く、しっかりした作りです。
・バランスの取れたサウンド: Telecaster特有のクリスピーで明瞭なトーンを持ちながら、American Professionalモデルでは若干のモダンさも加わっています。幅広い音楽ジャンルに対応できます。
・V-Modピックアップ: 特別に設計されたV-Modシングルコイルピックアップは、クリアかつパワフルなトーンを提供し、トラディショナルとモダンなサウンドの両方を楽しめます。
・コンフォート感のあるネック: ネックのシェイプが“Deep C”となっており、プレイヤビリティに優れ、長時間の演奏でも快適です。
短所
・価格: アメリカ製ということもあり、価格は高めです。コストパフォーマンスを重視するユーザーには敷居が高く感じられるかもしれません。
・伝統的な設計: モダンな機能を求めるギタリストにとっては、若干トラディショナルすぎると感じることもあります。特にトレモロや24フレット仕様のギターを好む人には不向きです。
・トーンの好み: Telecasterの明瞭な音が好みでないプレイヤーには、あまりフィットしない可能性があります。特に、厚めでウォームな音が欲しい人には、別のモデルを検討する必要があります。
General Review
Fender American Professional Telecasterは、クラシックなTelecasterサウンドと現代的なプレイアビリティを融合したモデルで、幅広い音楽ジャンルに対応できるギターです。プロフェッショナル用途に設計されているため、品質や作り込みは非常に高く、信頼性があります。
このギターは、伝統的なTelecasterのクリスピーで明瞭なトーンを維持しながらも、V-Modピックアップや“Deep C”シェイプのネックなどのモダンな要素を取り入れています。これにより、ヴィンテージの魅力を保持しつつも、現代のプレイヤーが求める快適さや多用途性を提供します。
ただし、価格は高めであるため、予算に制約がある人には少し厳しいかもしれません。また、クラシックなデザインを保っているため、モダンな機能を多く求めるギタリストには少々物足りないこともあります。
総じて、Fender American Professional Telecasterは、伝統を重んじつつも現代のニーズに適応したバランスの取れたギターで、クラシックなTelecasterサウンドと現代的な演奏性を求めるプレイヤーにとって非常に良い選択肢です。プロフェッショナルから趣味で演奏するギタリストまで、多くの人にとって満足のいくギターと言えるでしょう。